お腹に溜まりにくい空気

4)お腹に溜まりにくい空気

胃カメラでも大腸カメラでも、内視鏡を行う時には胃腸の中に空気(ガス)を入れて、膨らませることで隅々まで観察します。

そのガスについて、当院では外科の腹腔鏡手術でも用いている「炭酸ガス(二酸化炭素)」を用います。炭酸ガスは非常に速やかに体内に吸収される(普通の空気の200倍早く吸収される)ため、検査後にガスがお腹に溜まりにくくなっています。

吸収された炭酸ガスは、呼吸によって肺から速やかに排出されます。

※富士フィルムメディカルの炭酸ガス送気装置  

下の画像をご覧ください。どちらもお腹にガスを入れてから15分でレントゲン写真を撮影しているものですが、左は炭酸ガスを入れた場合、右は普通の空気を入れた場合です。

Shinners TJ, Pickhardt PJ, Taylor AJ, et al. AJR:186,June 2006


…どうでしょう?
矢印が指す写真の中の黒いところが腸の中のガスですが、全然違いますね!炭酸ガスの方は速やかにガスが消失しています。このような理由で、炭酸ガスを使用したほうが早くお腹の張りが収まるのです。

炭酸ガスは外科の腹腔鏡手術の時にも使用されており、安全性についても問題ありません。